サッカーがサッカーであることを守るために。

サッカーがサッカーであることを守るために。

2019年5月17日 J1リーグ第12節 32分湘南の選手のシュートは右ポストに当たってゴールラインを越え、左サイドのネットを揺らしたので、ゴールであることは間違いない。しかし、レフェリーチームはゴールインを確認できずに、プレーを続行し、浦和のチャンスとなりました。両チームのリスペクトのお陰で試合が成立しました。

 

サッカーはゴールの数で勝ち負けを競い合うもので、さらに野球のように満塁ホームランで一挙に多くの得点が生まれるものでないので、その1点の重みは審判全員十分理解していると思います。

過去、国内の公式戦でこれまでにも数回、明らかなゴールを認めなかった場面を見たり、聞いたりしたことがあります。ゴールを支える後ろのバーや移動しないように打った杭、土嚢にボールが当たって跳ね返ってくるケース、強めに張られたネットにボールが勢いよく跳ね返ってくるケースなどあり、ゲーム前にはゴール、ゴールネットを必ず点検し、頭にいれています。

ミスが起こるときは、そういう物理的な要因以外に身体的な、あるいは心理的な要因もあると思います。難しいのは見えない時で、「だろう」では判断できません。例えば、自分の視線が遮られている、あるいは選手の体でボールが隠されているときなど。特に、副審はキックより前にゴールライン方向に動き出していても真横でゴールの判断ができないことがあります。そこは、テクノロジーに頼ることも一案だと思います。また、全速で走っているときは、視点がぶれやすいので、判断を下す時は出来るだけスピードを緩め角度を変えて目でしっかり捉えなければなりません。同様に、思い込みや疑いを持たない、過信という心理的な要因もミスにつながりやすいものです。後で考えたら、映像を見ていたら、なぜ気づかなかった、あるいは正しい判断ができなかったのかと後悔することがあります。ゲームのテンションにのせられて、どこかで冷静さを失っているのかもしれません。試合中、審判は孤独であるがゆえに、副審や第4審判とのアイコンタクトやコミュニケーションシステムを使った会話をうまく使って、補完し合わなければなりません。そして、自分の判断を修正する勇気も必要です。一旦、違う見方を受け入れることも大切です。なぜならば、人間がやっているのでミスはありますが、それに甘んじることなく、審判はチームとしてミスをなくす精一杯の努力をいつも怠っていけないと思うからです。

サッカーがサッカーであることを守るために。