VARの指摘で判定が変わる例がでましたので、振り返ってみたいと思います。
事象の確認、ネイマールの転倒でPK
2018年6月22日 コスタリカ対ブラジル戦 0対0で迎えた後半33分コスタリカ3番が自陣のペナルティーエリア内でブラジル10番ネイマール選手と接触し、主審はPKの判定を自信を持って下しました。コスタリカの選手とコミュニケーションをとっている間に、VARから映像を確認するように指示が出て、レビューゾーンで映像を確認し、主審自身が判定を覆し、ドロップボールで再開しました。
VARの指摘
PKに関わる重大な事象であり、VARの指摘があるのは当然で、主審が自らの判断で最終決定しました。VAR自体は判定の誤りとは言わず、レビューしてもらいたいと伝えるだけで、主審の判定が正しくないとは言わないようです。ネイマール選手のシミュレーションの反則自体は主審の判断によるもので、接触があれば、シミュレーションとはしないことも理解できます。
このように、VARは、基本的にPK、得点、退場、警告・退場の人まちがいの4つの重大な事象が起こったときに、主審に再開させないように連絡し、主審は「指を耳に当てる」サインをして、主審がレビューすることを示したならば、レビューエリアでリプレーの内容を正確に伝えます。「ノーファウルではないか」ということはVARからは伝えず、主審がリプレーを見て自ら判断し、「ノーファウルである」という最終決定を下すことになります。「最小の干渉で最大の利益」を得ることが大原則であり、正しい判定を求めるものではなく、大きな事象に関わるミスを是正するというところにあります。
※VARについてはこちらの解説記事も参照ください「ワールドカップではVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)にも注目」
円滑な試合運びを妨げない
ところで、これがオフサイドに関わる事象、例えば、オフサイドでないのに副審の旗があがり笛を吹いた場合はどうなっていたでしょうか?こういった場合、複雑になりますので、副審が旗をあげても、主審はシュートがゴールに入ったかどうか、待って判断するようです。ボールアウトオブになった時点にならないとVARのアドバイスを受けられないので、やや間が空くことになりそうです。